タクシー料金って距離!?それとも時間??その仕組みを調べてみた
- 2016年2月2日
「あれっ!? この前と同じ道を通ってきたのにタクシー料金が高いじゃん、なんで!?」
あなたも仕事でタクシーを使っていて、こんな疑問を感じた事ってありませんか?
前回とほとんど同じ場所でタクシーに乗り、そして、ほとんど同じ場所でタクシーを降りているにも関わらず、前回と料金が違う・・・、
あれって、何か釈然(しゃくぜん)としませんよねぇ~!?
だって、同じ道を走ってきたわけなんだから、料金も同じになるものだ思うのは当然だと思うんですよ。
一体どうしてこんな不自然な事が起こってるんでしょう??
実は、タクシーの料金の仕組みをよくよく調べてみると、どうもタクシーの料金って、走った距離だけを単純に計算してるわけじゃないみたいなんです!!
じゃあ、タクシー料金って一体どういう仕組みで計算されているものなのか??
そこで今回は東京都のタクシー料金を例に、タクシー料金の仕組みをご紹介したいと思います。
あまり知られていないタクシー料金の仕組み
タクシーの料金なんですが、一般的には
“初乗運賃”+”加算運賃”
という2つの運賃の総額が私たちの支払う料金となっています。
じゃあ、“初乗運賃”と”加算運賃”って一体どういったものなのか、気になるのはそこですよね!?
続いて、この2つの運賃を一緒に見ていきましょう!!
“初乗運賃”とは??
“初乗運賃”というのは、読んで字の如く、タクシーに乗った際に初めにかかる料金です。
要は、一度タクシーに乗ってしまうと、仮に1m先で降りたとしても、必ず支払わなければならない最低料金という事です。
因みに、東京都(東京23区並びに武蔵野市、三鷹市)の”初乗運賃”はどれくらいかと言うと、は“730円(2016年1月現在)”で設定されています。
なお、この”初乗運賃”なんですが(東京では)2kmまでと設定されていて、タクシーの移動距離が2kmを超えると追加料金がかかるという仕組みになっています。
“加算運賃”とは??
もう一つの運賃である“加算運賃”というのは、そんな”初乗運賃”で設定された距離(東京であれば2km)を超えてタクシーに乗り続けた際にかかる追加の料金を指します。
で、ここから若干複雑になってくるのですが・・・、
この”加算運賃”には2つの方式があるんです。
その方式とは
- 距離制運賃
- 時間距離併用制運賃
です。
それぞれ、どんな方式かというと・・・、
“距離制運賃”とは??
“距離制運賃”方式というのは、決められた距離を進む毎に料金が加算されていく方式です。
東京(東京23区並びに武蔵野市、三鷹市)では”280m毎に90円”が加算されるという設定になっています。
なので、例えば、タクシーで5km分乗ったと仮定すると、
初乗運賃: 730円
加算運賃(距離制運賃):900円(90円×加算10回)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
合計: 1,630円
※タクシーが目的地まで一度も停車しなかった事を前提とする。
となるわけです。
因みに、“距離制運賃”方式はタクシーが時速10Km以上で走行している場合に使われる加算運賃の方式となります。
つまりは道が空いていてスイスイと進める時は、タクシーは“距離制運賃”方式で加算運賃を計算しているという事ですね。
“時間距離併用制運賃”とは??
ただ・・・、
タクシーに乗っている時って必ずしも道が空(す)いているとは限りませんよね!?
時間帯などによっては、渋滞をしている事だってしばしばあるはずです。
そういった渋滞に巻き込まれてしまった場合、時速10km以上の速度を維持して走り続けるなんて事はできないと思いませんか!?
でも、そうなると今度困るのはタクシー会社です。
もし仮に渋滞の影響で時速1kmになってしまったとすると、東京の“距離制運賃”で計算すると1時間でたったの360円にしかならなくなってしまいます。
普通に走っていればこの何倍も稼げたかもしれないのに渋滞でたった360円しか稼げないとなると、タクシー会社としても頭が痛いと思いませんか!?
そこで登場するのが、”時間距離併用制運賃”方式です。
“時間距離併用制運賃”方式というのはタクシーが時速10km以下の速度になった場合に適用される方式で、決められた一定の時間毎に運賃が加算されるというものになります。
時速10km以下の際にこの方式を適用する事で、タクシー会社は渋滞などに捕まってタクシーが動かなくなってしまい、長時間タクシーにお客さんが乗っていても運賃が上がらず、タクシー会社のコストが嵩(かさ)むというのを防いでいるわけです。
なお、時速10km以下で走行するようになった場合、必ず”時間距離併用制運賃”方式が適用されるかというと、そうとも限りません。
実は、タクシーがいくら時速10km以下で走っていたとしても”時間距離併用制運賃”方式が適用されない場合も存在します。
それは”高速道路”を走っている時です。
高速道路を走行中で渋滞に捕まり、時速10km以下での走行になってしまった場合、普通の道路の場合は”時間距離併用制運賃”方式が適用されるのですが、高速道路に限っては速度の大小に関わらず一律で“距離制運賃”方式が適用されるんです。
まぁ、例外として一応押さえておいていただければと思います。
因みに、そんな”時間距離併用制運賃”なんですが、東京(東京23区並びに武蔵野市、三鷹市)では“1分45秒毎に90円”が加算される設定になっています。
* * *
というのがタクシー料金の仕組みとなります。
同じ道を走っていてもタクシー料金が違うワケ
ここまでお読みいただくと察しの良い方なら、タクシーで同じ道を走ったにも関わらず、日によって料金が変わってしまう理由がもうお分かりかもしれませんねぇ~♪
そうです!!
日によってタクシー料金が変わってしまうのは”加算運賃”に、もっと正確に言うと“時間距離併用制運賃”が影響しているからです。
確かに、タクシーで同じ道を移動する際に、渋滞や信号に一切捕まらず、時速10km以上の速度で走り続けて目的地まで到着したのであれば、今のタクシー料金の仕組みであれば、どの日であろうと運賃は変わりません。
しかし、実際はそうはいきません。
同じ道を走っていたとしても、日によって、信号でタクシーが止まる回数が普段よりも多かったり、はたまたタクシーが渋滞に巻き込まれノロノロ運転になってしまったりなど、日によって時速10km以下の速度で走っている時間というのにはどうしても差が生まれてしまいます。
時速10km以下の速度で走る時間に違いがあるわけですから、その結果発生する”時間距離併用制運賃”も日によって差が生まれるため、結果として、同じ道を走っていたとしてもタクシー料金が違いが生まれてしまっているというわけなんです。
まとめ
というワケで今回は、タクシー料金の仕組みと、同じ距離でも日によって料金が異なるワケをご紹介してきました。
最後にご紹介した内容を簡単にまとめると
- タクシーの料金は“初乗運賃”+”加算運賃”の合算で決まる
- ”加算運賃”には”距離制運賃”と”時間距離併用制運賃”の2つの方式がある
- ”距離制運賃”は時速10km以上で走っている際に使われる、一定の距離毎に運賃が加算される方式(東京では280m毎に90円加算)
- ”時間距離併用制運賃”は時速10km以下で走っている際に使われる、一定時間毎に運賃が加算される方式(東京では1分45秒毎に90円加算)
- 同じ道を走っているにも関わらず、日によって料金に違いがあるのは、信号での停車回数や渋滞による速度規制などによる時速10km以下で走る時間が日によって違うため、その結果”時間距離併用制運賃”に違いがあるため
となります。
今度タクシーに乗る際には”距離制運賃”と”時間距離併用制運賃”がある事を意識して料金メーターをチェックしてみると新たな発見があると思うので、ぜひチェックしてみてくださいね!!
では今回はこの辺で。
最後までお読みいただき有り難うございました。
この記事を読んでいる方は、以下の記事も読んでいます