「きゅうりは栄養素(ビタミンC)を破壊する」の真実
- 2015年4月10日
周りの人に”嫌いな野菜は?”という質問をしても、
意見として出て来にくい野菜の1つと言えば、
「きゅうり」ではないでしょうか?
全体の90%が水分でできているため、
味はほとんど癖も無く、
さっぱりとしていて食べやすいので、
嫌う人が少ないのかもしれません。
私の周りでも、
「きゅうりだけはダメ!大っ嫌い!!」
という話はあまり耳にしません。
皆さんの周りではいかがですか?
ただそんな嫌われ者には縁遠い印象のある「きゅうり」ですが、
実は1つの疑いが掛けられています。
その疑いとは・・・、
「「きゅうり」には栄養素であるビタミンCを壊す酵素が含まれているので、
ビタミンCを含む食材と一緒に食べない方が良い」
というものです。
何故「きゅうり」にそんな容疑が掛けられているのか?、
そして、「きゅうり」への容疑は真実なのか?、
という事について、今回はご紹介したいと思います。
「きゅうり」に容疑が掛けられた原因
「きゅうり」に容疑が掛けられている原因は、
「きゅうり」に含まれているある酵素にあります。
その酵素とは・・・、
「アスコルビン酸酸化酵素」
です。
「アスコルビン酸酸化酵素」は『ビタミンCを破壊する酵素』と言われ、
ビタミンCと合わせて摂取すると、それらを破壊し、
摂取できるビタミンCの総量を減らすと言われています。
そんな酵素を含んでいるために、
「「きゅうり」をビタミンCを含んだ食材と一緒に食べない方が良い」
という容疑が掛けられてしまっています。
「きゅうりがビタミンCを破壊する」の真実
ここまで聞くと、
「「きゅうり」の容疑は間違いない!」
と思われるかもしれません。
しかし、近年の研究で、
「アスコルビン酸酸化酵素とビタミンCを合わせて摂取しても、
実はビタミンCの総量は変わらない」
という事が分かってきました。
元々、アスコルビン酸酸化酵素によるビタミンCの破壊というのは、
「還元型ビタミンC → 酸化型ビタミンC」
という変異を指します。
ビタミンCの破壊によって変異した「酸化型ビタミンC」は、
以前は、体に影響を与えるようなものではないとみなされ、
ビタミンCはあくまで「還元型ビタミンC」のみを指すものでした。
(その結果、「酸化型ビタミンC」へ変異したビタミンCが、
酵素の破壊によって減少したビタミンC量と判断されていました。)
しかし、近年の研究によって、
「酸化型ビタミンCは体内で還元型ビタミンCに戻る」ということが分かり、
「酸化型ビタミンC」もビタミンCとしてみなされるように、
考えが改まったのです。
結論
この結果から「きゅうり」とビタミンCを含んだ食材を一緒に食べた場合、
アスコルビン酸酸化酵素によってビタミンCの破壊は行われるが、
体内に摂取するビタミンCの量に変化はないという考え方が一般的で、
・「きゅうり」をビタミンCを含んだ食材と一緒に食べても問題ない
と言われています。
もし皆さんの周りで誤解している方がいたら、
是非今回お伝えした情報を教えてあげていただけると嬉しいです。
では、今回はこの辺で。
お読みいただき有り難う御座いました。
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